なんとなく安曇野。

赤、黄、緑色の物体を生産しています

   

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 8月中下旬頃からのりんごの”つがる”。写真のもので横直径約5㎝。

 

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苗畑。ふじのバイアキシス(Bi-axis)苗。今年は生育がかなり遅れています。只今順調なもので40㎝程の伸びです。

 

 

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2つの軸の分岐部分は下の写真の様になっています。

 

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全部の苗でこのようにしているのではないのですが、一番上の芽の生育が旺盛すぎる場合は取り去り、上から2番目、3番目の比較的穏やかに伸長している芽で2軸化させていきます。これが2つの軸の長さを揃える一つのコツですね。

上の上司がやり手だと、下が育たないみたいな、実社会と同じです!笑。

 

下は随分前に読んだテキストですが、私がバイアキシスを知るきっかけとなったものなので紹介しておきます。

 

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A vision for apple orchard system of the future.

 

りんごの栽培システムが今後どのような方向に進んでいくのか、最適な密植度とはどの程度か、市場の果実価格や、苗木の調達コストなどをもとに計算し論じられています。

 

バイアイシスに関しては、これまでのスピンドルでは制御しにくかったような肥沃な畑でも高い生産性を上げられる可能性があると紹介されています。

 

バイアイシスの利点は樹勢の分散や初期コストの低減などだけではなく、これまで強樹勢のため密植栽培には不向きであった台木にも利用の道を開いたところが最大の利点であると私は思います。これまでの中間台木方式(interstem)でもいいかもしれませんよ。

 

イタリアのFEM(Fondazione Edmund Mach)のバイアキシスに関する試験報告を何本か読みましたが、やってみる価値はありますね。何よりバイアキシスの先にはマルチ・リーダーへの展開もありますから、これは10年ぐらいはしっかり取り組む価値はあります。

 

 

最後に文中に述べられている生産性の高いりんご園をつくるための5原則を紹介しておきます。超要約です。

1.受光率の高い園地でなければならない。

2.樹冠の隅々まで光が行き渡らねばならない。

3.初期収量が高くなければならない。

4.機械化に適するシステムであること。

5.密植させすぎてはならない。

6.適度に適当でなければならない。(せーさん追加)